徒然畑

徒然なるままに。

映画「君の名は。」を見てきて「すばらしい!」と思った3つの点 【その2】

日本とアニメの変化から生まれた新機軸ーー-ここ最近のアニメの傾向が幅広く受け入れられた瞬間

次は時代の変化と照らし合わせたすばらしさの点から。

 

この映画、見ていてとても「今のアニメっぽいなあ」と思ったんです。

私は周りからいくら否定してもオタクやと言われるので感覚がオタクよりだと信じた上で言いますけど

純粋に「今のアニメっぽいなあ」と思わせるのにオタクじゃない人たちにも評価されているのが

変化だなあしみじみ感じた一本でした。

 

今のアニメっぽさ、というのがどういうことなのかということについて

自分の中で考えている中で

こちらの評論が読んでいて一番腑に落ちたのでちょと紹介します。

 

realsound.jp

 

上記の記事から抽出していくと、今のアニメらしさを思わせるのは以下の点。

 

 ◆オタク的シナリオゲームに見られる複数世界の可能性

簡単に言うと、いわゆるギャルゲーやエロゲーと呼ばれる

美少女系ゲームに見られる「分岐システム」を物語にうまく取り入れています。

美少女ゲームは基本、プレイヤー自身がゲームの主人公になりきり、

様々な恋人候補の女性キャラクターとどのような会話を交わすか、どのように接するかを選択(分岐)することで

キャラクターの好感度や新密度が上下し、物語の展開や結末が様々に変化するシステムとなっています。

本作のシナリオはそのシステムをうまく応用しており、

そういった物語の展開や結末を、主人公であるプレイヤー側が意識的に変化させることができるという視点を活かして

初めは三葉と現実には出会うことができずに終わってしまう運命を

糸守の御神体というキーポイント(ゲーム的にはセーブポイントと言うべきですかね?ちょっと違うかも…)をを駆使して変えようとする瀧の姿を描写しています。

 

◆エロスやフェチズムを想起させる表現

たとえば一番衝撃的だった「口噛み酒」に始まり、

物語の序盤で三葉が想起する「口噛み酒」のグラビアビジュアル、

そして、三葉の寝相姿をあえて生々しいアングルで描写する姿勢。

(パジャマから見える生脚や息遣いに呼応して揺れる肢体等。

瀧の寝相は結構あっさり描いていたのに対して、彼女の寝相は丹念に描写しているのがなーんか印象的でした…)

そういった決してファミリー向けには表象されないような

人間の内なる欲望やアンダーグラウンド的な表現が、ちらりほらりと忍ばされています。

 

そういった点からも、

君の名は。』がジブリ作品やドラえもんポケモンルパン三世などの

いわゆる国民的アニメ部類に完全に含まれる作品か、と言われると

これまでの流れから考えると含まれないといえるのです。

ストーリーの筋道、所々に見られるキワドイ表現、

そしてここ数年の美少女ゲーム的シナリオに見られるようなギミックは

まどマギSTEINS;GATEなど思い浮かべると符合すると思います)

これまでは国民的アニメの枠組みというよりかは

たとえばコミケや同人ゲーム、深夜放送されるニッチなアニメのような枠組みに

分類されるのが今までの流れでした。

 

ただ昨今の急激に日本国内でのアニメへの評価の高まりや

オタク文化の注目度の向上(これについては賛否両論様々ありますが)の流れも手伝い

そういったオタク的アニメ文化は、徐々に普遍的な社会へ融和していく傾向にありました。

例えばコンテンツ面からいうと

ニコニコ動画を起点としたボカロ音楽などの普及、

ライトノベルの浸透、

細田守作品、「あの花」、「まどマギ」などのアニメ作品のヒットなども

その変化の一旦ととらえてよいともいえます。

 

これまでのオタクらしいギミックを活かしつつも、

キャラクターの「リア充化」(現代のオタクではない普遍的な若者像化)や有名俳優の声優や若者に人気のアーティストの起用、

そして観客のフィクションに求める夢や希望(いわゆるハッピーエンド)を認識したうえでの

エンターテイメント的コンテンツとしての脚本設定等のアレンジを加えたことで

これまでの国民的アニメやオタク的アニメのちょうどいいところをとった立ち位置をこの作品が築き上げたことが、

君の名は。』の大きな功績の一つだと感じます。

 

ちょっと前まではオタクって言うだけで侮蔑的にとらえる風潮すらあったのに

そういう時代をも見てきた人たちにとっては「そんなに売れたの?」という感想を抱かざるを得ないかもしれないですね。

そういう意味でも、時代の変化、日本アニメの進化の表象として『君の名は。』はとらえることができるのです。

 

大学時代にアニメ論という講義を好き好んで受けていたことがあったので

この手の話の観点から『君の名は。』のすばらしさを見出してみました。

今までのコンテンツや文脈、時代背景等を考慮したうえで作品見ていくのって楽しいですねえ。

 

あともう一つは…やっぱり文字数長くなりそうなのでこちらもまた明日以降に。

 

頑張ってたんだと今気づく

TOEICスコアが切れてしまったので

仕事でも英語使いながら不自由できるようになりたいという気持ちも手伝って

勉強始めました。とりあえず12月目標で。

 

私が愛用しているのはこの3冊。 

 

TOEIC(R)TEST 990点満点英文法・語彙 (アスカカルチャー)

TOEIC(R)TEST 990点満点英文法・語彙 (アスカカルチャー)

 

 

 

新TOEICテストスーパー模試600問 (TOEICテスト スーパーシリーズ)

新TOEICテストスーパー模試600問 (TOEICテスト スーパーシリーズ)

 

 

特に2番目の問題集は結構中身がハードな分

本番のTOEICがかえって優しく感じてしまうくらいに思えてくるので

この本でしこたま扱かれて何度も懲りずに繰り返していたら自然と力になるのでオススメです。

ドMな方は特にオススメです。

 

あとリスニング対策にはnprラジオというアメリカのラジオ聴いてます。

政治経済科学音楽と、様々なニュースを英語で聞けるので

アプリインストールしてひたすら聴き流し&耳に英語を慣れさせるということをしています。

私の場合、小さい時から英語に慣れ親しんでいたので

ガチガチのリスニング対策教材より

実際の生の英語を使っているところを聴く方が

英語の感覚とか語感を掴みやすくなるので…

万人にはオススメできないかもですが、なかなか面白いのでよければ。

 

まあ私のオススメは置いといてというかそんな話がしたいんじゃなくて。

 

考えてみると2年ぶりにTOEIC受けるんですが

いやーもういろんな単語やイディオム頭から抜けていて

2番目の愛用スパルタ問題集の一番最初にある実力診断テストで嫌々言いながら問ちゃいました。

 

私は物心ついたあたりからずっと英語はやってきていて

大学に入っても留学したり留学生と話したり英語オンリーの授業受けたりとしていたので

実は働き始めてからが初めてと言っていいくらい英語から身を置いていたんです。

 

そして結果、散々に記憶が飛んだ頭で問題集を解いたあと

英単語帳をパラパラ見返してみると

中学、高校時代に時に必死に、時にふざけながら覚えた単語がとても懐かしく感じてしまい

「今まで気づかなかったけど、なんだかんだで英語頑張っていたんだなあ〜私」と

初めて自分の打ち込みに気付けたのです。

 

英語を勉強している時、話している時は、

特に「自分英語頑張ってる!」て思ったことは一度もなく

ただ「もっと何言ってるかわかりたいから勉強しよ」とか

「知らないイディオムもっと知りたいから勉強しよ」とか

知識欲と好奇心の赴くままに勉強してました。

 

英語から距離置いて、改めて触れてみた今

あの時頑張ってくれた自分のおかげで、

忘れた英単語やイディオムの記憶も少しずつ戻る予感がしたし

(英単語帳読んでて懐かしくて変態的テンションになってました)

スパルタむずい問題集も、よーしがんばるかーと肩に余計な力入れずに取り組む姿勢になれました。

 

あんまり自分のこと、自信を持ったり好きになったりすることなかったですが

今回ばかりは、昔の自分にありがとうを素直に言いました。

 

ただ未だに わからない単語を辞書引く作業が 面倒臭いです(ダメ人間)

 

 

 

 

 

 

 

映画「君の名は。」を見てきて「すばらしい!」と思った3つの点 【その1】

今日は早く帰るんだ!と思っていた日に限って

早く帰れない何事かが起きてしまうのはなんでなんでしょうね…

突発の仕事で思ったよりも残業したことでました疲労を抱えながらも…金曜日に行ってきました…今話題のアニメ映画…

 

youtu.be

新海誠監督の新作、「君の名は。

 

私が新海監督を知ったのは、

一時期TUTAYAでアニメDVDを怒涛のように借りまくっていた時期に(今でもたまにやりますが)であった「言の葉の庭」です。

見た瞬間に「なんだこの素晴らしい才能は…」とほれぼれし、

Z会のCMや建設会社のCMでも彼のアニメーションが用いられるようになって

時代は変わったなーとしみじみ感じていた矢先に、耳にした彼の新作。

ちょっと最近アニメ映画見れてなかったなあ…と思ったので見に行ってみたら。

 

なんかすごかった。

そしてしこたますばらしかった。

 

何がしこたま素晴らしかったかは後述でじっくり語りますが、

何がすごいって、公開一週間以上たっているはずなのに、人、人、人…

ちょうど公開一週間たつか経たないかの頃に実家がある福岡に帰省していたんですが

その際に外に出た時間つぶしに「君の名は。」見に行こう~と思って当日の席照会したら、当日券は基本満席。

金曜日だって、前日にネット予約で席確保していたから見に行けたようなもので

当日行ってみると「満席」の文字が…

『…あれ、アニメ映画ってこんなに人気出るもんなの?』

とまあ周りからオタク呼ばわりされる私は純粋に疑問と戸惑いを抱えて映画を見に行ってきたわけですよ。

 

で感想。

すばらしかった。

物語的な意味でも。

そして、時代の変化的な意味でも、

マーケティングスタンス的な意味でも。

 

昨日見てきたばかりでまだ感動の熱がひかない脳みそでこれを書くのは

主観的になりそうでちょっとチャレンジングなのですが

私の特技は物忘れの早さなので、今回見てきた「君の名は。」にみいだしさ三つのすばらしさについて書き残そうと思います。

 

下手したらこれ数日分になるかもな。

よし、書くか。

※ネタバレするんで見ていない人は読まないことをお勧めします。

 

 圧倒的「愛おしいもどかしさと切なさ」を生んだ、より人の心に寄り添うものと、より人の心を抉るものの存在

まずは物語的すばらしさの点から。
映画のヴィジュアルからもあらすじとかからもこれは二人の恋物語なんだーというのは見る前に予想がつくことはできるでしょうが、
ふたを開けてみたら「監督は多分確実にドS!!」と思うほど
圧倒的「愛おしいもどかしさと切なさ」 がつまった恋物語
 
どういった点が切なくもどかしいのか。
まず一つ、二人は決して出会わずに絆を深めていく点。
そして二つ、二人の生きている時代がそもそも違っている点。
最後三つ、二人のお互いに共有した記憶が消えて行ってしまう点。
 
こんな三つの障害が次々に降りかかってくる二人を見ていると
観客は近所の世話好きなおじさんおばさんの気分に駆られて仕方なくなるのです。
本人たちは最終的には漠然としたもやもやを抱えながら別々の場所で別々の時間を過ごしているのですが
観客側としてはこれまで二人がどういうやりとりをしてきたかが痛いくらいわかっているので
最後のシーンまではずっと二人以上に切ない気持ちに体中締め上げられるのです。
何て拷問。
だからこそ最後の展開5分間はどっと涙腺崩壊によるいろんなものがこみあげてきてしまうので
見終わった後「乗り切ったぞ…瀧も三葉もそして私もこの幾多の難所を乗り切ったぞ…!」という気持ちになるんです。
 
まあ観客の心境的な話はこれくらいにしておいて。
冷静に考えると、ストーリー的には
 ①出会い
 ②絆の芽生え
 ③絆を引き裂く危機
 ④絆の強化
 ⑤絆を引き裂くさらなる危機
 ⑥絆の絶対的強化(HAPPYEND!)
という展開になっていますが、
過去にこういったストーリー展開で人々を感動させ、ヒットを生んだ例は実際に実在するので、ヒットの基盤はこの映画は持っていたんだなと納得できます。
 
例を挙げると、当初アニメの製作元でさえ売れると思ってなかったという
TIGER & BUNNY」の虎徹とバーナビーコンビ。
実際に上のサイクルに話を当てはめてみると
 ①出会い(1、2話)
 ②絆の芽生え(3~9話)
 ③絆を引き裂く危機(10~12話)
 ④絆の強化(13話)
 ⑤絆を引き裂くさらなる危機(16話~24話)
 ⑥絆の絶対的強化(HAPPYEND!)(25話)
という風な筋道をたどった末に、お互いの絆を確固たるものにしています。
 
一般的なストーリー理論的には、二人の絆や愛情を育む系ストーリーには
「障害(絆を引き裂くようなアクシデント)」と
「小道具(登場人物に絆を深めるor助けるキーとなるもの)」が必要です。
なので問題はその小道具や障害をどういったものにして構成していくかが、
脚本を作る人の腕前にかかってくるのですが
新海監督はその障害や小道具の選び方、
それを選んだうえでの物語設定がとてもうまかった点が今回拍手をたくさん送りたいポイントです。
 
どうして選び方がうまいと思ったのか?
①「言葉」だけが二人をつなぐ鍵
基本的に二人の絆には「言葉の存在が欠かせません。
たとえば、瀧の持つダイアリーアプリ上の近況報告や
不満が爆発したために体に書いた罵倒や
ノート上に書かれた疑問、不満。
そして、後半でお互いの手に書き記した、記憶消失にあらがうための文字。
この映画では様々な種類の媒体を利用して互いの思いをぶつけあっています。
直接話すことも、触れ合うこともできない二人だからこそ
様々な種類の「言葉」だけが、二人をつなぐキーと言うところに
親密さと切なさを余計に感じてしまうのです。
 
②「時の隔たり」と「記憶の消失」という抗いがたい障害
この映画の冒頭だけ見ていると、この二人の障害は「距離の隔たり」だけなのでは?と思ってしまいますが
実際はこの二つが二人にとって大きな障害になっています。
「時の隔たり」では、生きる時代が違うという設定だけでなく
片方はもうすでに死んでいた、と言う設定のダブルパンチで衝撃を与えます。※
それでもあきらめずに互いに相手に出会うため奔走しますが、
さらに立ちふさがるのは「記憶の消失」
「記憶の消失」 では、「時の隔たり」よりもさらに厄介な障害と言うところがミソで
彼らの頭の中の記憶だけではなく、彼らの絆をつなぐキーである言葉さえも消失していくという設定が
見ている人に運命の辛辣さを感じさせてしまうのです。
 
※もちろん、この「衝撃的だった!」という感想を観客に抱かせるのは
この映画の宣伝担当の方の「どのような情報を事前に与えたら人々はより物語に引き込まれるか?」をよくわかった上でプランを汲んだ手腕によるところも、十分あります。
 
要約すると、新海監督は物語を組み立てる上で
小道具はより人の心に寄り添うものを、衝撃はより人の心を抉るものを、というチョイス・設定を行った結果
観客に「愛おしいもどかしさと切なさ」 を感じさせる作品となっているのです。
 
 
ちなみに。
物語のすばらしさについては、瀧くん役を務めた神木龍之介さんもいい感じに熱弁してくれてますので
こちらも参考に。

緊急決定!『君の名は。』特番+『秒速5センチメートル』本編 - LINE LIVE

 

この特番2016年9月17日配信までらしいので要約すると

「新海監督の得意とする『距離感の切なさ』が『君の名は。』でも爆発している!」

もし『君の名は。』を見てこの新海節がすき…!と思った方は

過去の新海監督作品を見ることをおすすめします。

そして私も見ます(真顔)

※ちなみにこの配信「秒速5センチメートル」も見れるというお得な映像ですよ奥さん

※ところでこれ見て神木さんガチで新海さん作品好きなんだなとひしひし伝わってきましたよ…その愛情素敵です…

 

ちなみに私が個人的にぐぐぐっときたのは

一番最後のシーンですね…

いやもういろんなシーン心に残っているから一つに絞るの難しかったんだけど

最後のシーンのあの間は、ためらいの間は、とても日本美だと思ったんですよ。

一言でいうと奥ゆかしい。

 記憶がはっきりとしないからこそ、心に湧き上がる喜びと

自分の妄言だったらどうしよう、関係ない人だったらどうしよう、という疑心暗鬼さのはざまで揺れる二人の姿を見て

個々が一番奥行きがあるところに感じてしまって仕方なかったんです。

出会ってすぐぬか喜びできないだけの障害を体験した後の二人だからどうしても奥ゆかしく感じてしまいました…今思い出しても震える。

 

気付いたら3500文字近く行ってたので我ながら震えました。

予想通りではありますが、残りの素晴らしさについては明日以降つづろうと思います…お粗末様でした。

 

 

 

 

 

恋愛と物語

生まれてこの方あまり恋愛経験なく今日まで過ごしてきているけど

にもかかわらず、というべきか、だからなのか、というべきか

今やたらと自分の良いと思う恋愛シチュエーションとはなんだろうと考えている。

 

この間母と話していて

「自分の人生でこれだけは大事にしたいと思うものって何?」

と聞かれて

「『自由』だなあ」

と思った時点で、私が恋愛というものさえも自由を脅かすと思って避けてきたのかもなあと気づきはしたが。

かといって恋愛によって得られる胸のときめきだとか、快さとかは、欲しいと思っているという気持ちの表れかもしれない。

人間はつくづく身勝手な生き物だという生き証人。まさに私。

 

それはまあ良いとして。

 

そもそもきっかけは何か話でも描いてみたいなと思ったからだ。

どうせ描くなら自分の好きなシチュエーションを詰め込まないと

飽き性な私には長続きやしないと感じていた。

それで、好きなシチュエーションは何なのだろうかと考えを巡らせていたのだ。

 

ではなぜ恋愛を持ち出したか。

面白いのだ。物語はだいたい恋愛が絡むと面白くなる。

 

人間の感情の揺れ、理屈ではない無根拠な行動、そういったどうしようもない突発的な動きは

大抵物語に躍動感や奥行きをもたらす。

もちろんそれだけでは話が面白くなるわけではないので、

イデアやストーリーの筋道が必要になるが

恋愛はそれ一個のテーマで話が作れてしまうので、何かと便利が良い上に面白い。

しかも、キャラを作った上でそのキャラ達に恋愛というテーマをぶつけさせたとき

どういったリアクションをするかの化学反応が面白くなるという利点もある。

(ただし、そのキャラが難儀なやつだとものがたりの進展が滞って逆に困ることがあるが)

 

まあそんなわけで何が言いたいかというと。

プロットにつまってる。

 

 

 

 

【No30】UNIQLO AND LEMAIRE

www.uniqlo.com

 
私の愛読ウェブ漫画「服を着るならこんな風に」が突然ガチでユニクロルメールコラボ宣伝したので
(普段は「イニクロ」というユニクロが元ネタのお店で話進むので、本気で誤植かなと思いました)
試しに検索してみたら特設サイトありました。
前からユニクロはウェブ周りで結構面白いことちょくちょくやっていて
カンヌ広告賞で受賞履歴もあるほどなのです。
今回はそんなユニクロルメールとのコラボ特設サイトを分析。
 
(1)情報とページの上手い使い分け
 1ページがメインのレイアウトはコンテンツ量が多くない特設サイトにはよく見られるレイアウトですよね。
で、部分的に別ページに飛べるようにしているのは、集中して読んでほしいところ、見てほしいところだけ。
(ネットショップページ、ルメールコラボについてと宣伝ムービーのところだけ)
スタイルブックとコンセプト紹介については、主に今回のコラボの服紹介に関わるところだから
検索で来た人に真っ先に提示できる情報として表示しているのだと思います。
来訪者が一番気になるのは、「どんな服があるんだろう?」と言うことですからね。
こういった一ページレイアウトは、検索で訪問してきた人にすぐ情報を渡すのにはきわめて利便性が高いです。
その分、数多くの商品や情報を伝えきるには、一ページで収まるのは難しい。
そういう時に、うまーく情報とページの分類を考えるのがデザインの腕の見せ所なのでしょう。
 
(2)ウェブとスマホとの体験の違い
んで、もしかしたらと思ってタブレットとパソコンの方からサイトを見てみたんですが
やっぱりそうだった。ちゃんとタブレットかPCなのかによってサイトの動きが違います。
例えばルックブックの写真。PCではマウスオーバーするだけでシェアアイコンが登場します。
タブレットスマホはマウスオーバーという概念はありません。代わりに、これと近い体験をタブレットで実現させるため
一回写真をタップするとシェアアイコンが出てくるようになっています。
また、PCサイトで常に表示されていたサイドのナビゲーションは、
スマホやPCの場合だと、左上に横線三つアイコンを表示、
タップするとメニューが現れる、と言う風になっています。
現在は、ときにPCからのアクセスではなくスマート端末からのアクセスからの方が多いこともある時代。
そういうことも踏まえて、ユーザーがどのデバイスからアクセスしても使いやすい、かつ機能的であることは、サイトに備わっていて当然の時代になっているようです。
 
今回はあえてサイトのシンプルさなどについての説明はしませんでした。
というのも、最近、こうやって分析するのは楽しいんだけど、
分析してみて気づくことがどーしても毎回同じものに寄ってしまうからです。
自分のレイアウトに対する知識が少ないな〜というのを切実に感じております。
ちょうどいい本も見つけてるので、ここらで一度またレイアウトの知識頭に詰め込も。

【No29】ACME ウェブサイト

acme.co.jp

渋谷で見つけたすてきな家具屋さんです。
アメリカのヴィンテージ家具を作っている工房やらに直接買い付けに行って商品を仕入れているという、
かなり凝った風合いのお店でした。
サイトも負けず劣らずおしゃれさんだったので、ちょいと分析。

(1)オーソドックスな見やすさのわけ
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このサイト、店舗の持つヴィンテージのおしゃれな風合いと、家具の持つ整然さがちゃんと同居してるなーと思いました。
すこし褪せたような色合いの写真の表紙を捲れば、商品リストとお店の新着情報。
もっと詳しくいろいろ見たいなら、各メニューへどうぞ、という風に
とてもすっきりとしたページになっています。
トップページには訪問者が欲しい情報だけを、あとはわかりやすいナビゲーションで来訪者の操作を補助。
全体のデザインも、フォントの統一、白を基調とした写真が映える風合い、
グリッドに沿ってグレーラインで区切って各コンテンツを提示。。。などと、統一感と高級感が漂います。
お手本にしたいくらい、サイトがよく見えるレイアウトルールを導入しているのです。
色を使いすぎず、レイアウトは鉄則に則って、
あくまで商品である家具が魅力的に見えることに徹しているのです。
フォントの選び方も、基本的に明朝テイスト。ロゴも同じくそのテイストなのですが、太線で構成されているおかげで少し親しみをかんじる印象に。
結果として洗練さと親しみを感じるサイトに仕上がっています。

(2)シンプルであることの利点
今までいくつかデザインが凝ってるもの、シンプルだけど良いデザインのものを紹介してきました。
サイトの印象をシンプルにする利点は、ずばり画像の見栄えを調整しやすくなるということ。
画像の魅力はその他の要素の情報量との対比、そして写真そのものに比例するのではと私は考えています。
その他の要素とは、例えば文章量。そして他の図や画像。
商品一つ一つを魅力的に見せたければ、良い写真を用意する他に、
その写真以外の要素を周りに必要以上に詰め込みすぎない、という手法が考えられます。
写真が魅力的なものであるほど、周りにはできるだけ何も置かないほうが良い。
以前取り上げたマイラクラシックのサイトもこんな感じでしたよね。
何か強調させたい画像、映像があるときは、周りはシンプルにまとめること。
これも一つのデザイン技かもしれません。

大分久々でサイト見る目がちょっと衰えたかもしれないのが反省点です。。。
まだまだたくさん、色々なものを見て目を養っていこうと思います。

【No28】WRAPPLE ウェブサイト

www.wrapple.jp

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渋谷はよく行くのでパルコにもよく行くのですが
その中に入っているラッピング用品専門店です。
なかなかすてきな賞品色々取り揃えていますので、今回も例によってサイトを覗いてみました。

サイトの特徴をちょっと分析。

(1)お店の特徴をよく現したデザイン
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ヴィジュアルデザインはとってもこのお店らしいなと感じています。
「WRAPPLE」という名前の通り、お店のロゴはりんごに、皮代わりのリボン。
そして、ラッピングや手作り感を思わせる切り貼りされたような文章、
マウスオーバーすると現れるマスキングテープの柄、
そういった手作り感のあるデザインに合わせたフォント…
ますます何かを作りたい、ラッピングしたい!というインスピレーションを与えるデザインとなっています。
とはいえ、ちゃんと店舗の場所の情報やナビゲーションメニューはきちんと整列、まっすぐに情報を表示しているため
情報による整列も忘れていません。
遊ぶ所と情報を見せるところのメリハリは付けている模様です。

(2)デザインはドンぴしゃ、だけど…
デザインの面ではとても成功しているとは思うのですが。。。
このサイト、使いにくいという印象が抜けません。

例えば、ナビゲーションバーがページスクロールに合わせてついてきてくれるんですけど、
何故かラッピングのところで追いつくのをやめてしまうんです。
まだアクセスのコンテンツが残っているのに…?

そして、せっかくこしらえてあるスクロールするたびに回るリボンも、途中までしか機能しない。
しかも、タブレットなどのスマートデバイスから見ると、
逆スクロールしたさい、回るリボンのアニメーションがうまく機能しなくなってしまう…

また、恐らくスマート向けデバイスに設計されたのか、パソコンから見ると右側に変な余白ができてしまう。

そして、このサイトは所々にSNSのリンクを張り、
商品やラッピング例などをSNSを介して紹介しています。
それ自体は、発信の幅広さがあっていいな、と思う側面はありますが
中にはそのSNSを利用していないとすごく使いにくく、サイトから来た人にとっては使いにくいなと感じてしまうものがあります…
(何とは言わないけど○interest)

とまあこんな感じに。
触ってみてどう考えても使いにくい、という感覚を与えてしまうため
お店の情報を補完する、販促効果を上げる、と言う意味では、
もうすこし使いやすさや機能性を追求したほうがいいのかな、と感じました。

すごくばっさばさ切り込んだ気がしますが、
でも、せっかく公開するウェブサイトだから、公開する人も見る人も両方が満足する作りであってほしい、
双方のためのサイトとなってほしい…という思いがあるので、色々言っちゃいました。
今度は逆にデザインの重要度が低いサイトで機能性が高いサイト、探してみようかな。勉強のために。