徒然畑

徒然なるままに。

【No15】コースケ 「GANGSTA ARTWORKS」

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今テレビアニメとしても放送中のGANGSTAの原作者のコースケ先生。
普通なら漫画の良さを語る〜という流れなんでしょうけれども
それよりも私はコースケ先生の画集の方をお勧めしたいのです。

コースケ先生のマンガセンスは二つファクターがあると思っていて
一つは人間の抱える傷跡を物語として印象的に魅せる描写力、
もう一つはイラストの画面構成スキルの高さなのです。
この二つが合わさってこそGANGSTAの面白さがあるというやつです。
今回はそのイラストのスキルについて分析していきたいと思います。

⑴洋画のアートボードのようなスタイリッシュさ
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一枚絵でも洋画これを感じさせるんですよ。漫画の場合はまさに洋画の1シーン。
洋画のカメラワークは日本と違い数段オサレなのは明白なのですが
そのオサレ具合がいい感じに取り入れられてます。

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上の画像は、GANGSTAタワーレコードとのコラボキャンペーンイラストなのですが
まるで映画のポスターみたいですよね…
実際作者も洋画を好んでよく見るそうなので、
そこから学んだレイアウト術は大いにあるのではないでしょうか。
(どんなものを参考にしているか是非知りたい)
また、特にGANGSTAは登場人物も日本人ではない多種多様な人種が暮らす街の人物がメインなので
余計に洋画を見ているみたい!という感覚にさせてくれる、というのは大いにあります。

⑵影と光の比率の塩梅
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あとですね。描く物語のとーりな絵の描き方、色の塗り方が描く物語と良くあってるなーと思うのです。
先に言ったように、コースケ先生はキャラ達が背負う過去を物語に印象的に魅せる描写力があります。
そして、その印象的な物語にするための要素に
グレーベースの配色、影が多めでハイライトや光が少なめな塗り方があります。

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実際漫画のほうも合わせて見て見ますと
影が多め、暗めの影の中でのまばゆい光の演出を得意としています。
キャラ達の背負うものの暗さはそのまま引き出し、
そこに時折光をいれることで、彼らの行く先に希望を暗示させている。
彼女が描く漫画の世界観と絵の雰囲気、そして絵柄が全て綺麗に合致していために人々を惹きつけるのです。

あくまで作者の趣味の集大成、といってしまえばそれまでですが
自分の好む世界観を正確に、納得のいく形で表現できるというのは、なかなか難しいこと。
ある種自分を客観的に見る必要があります。
私もその表現に辿り着けるように、日々自分の感性と技術を模索しよう…