徒然畑

徒然なるままに。

【No22】ジュウ・ドゥ・ポゥム ウェブサイト

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http://www.paumes.com/index.html

昨日、先日とジュウ・ドゥ・ポゥムの本を紹介、分析しましたが

それに際してたまたまジュウ・ドゥ・ポゥムのウェブサイト見たんです。

アホみたいに興奮しました(真顔)

だってすごくすてきだったから。。。!

やっぱりクリエイション 心を刺激するような本をたくさん出してるだけある(真顔)

今回はこのサイトが素敵なわけを分析。

 

⑴デザインの真新しさーー遊びとルールの絶妙コラボ

レイアウトとしてはナビゲーションエリア付き左2カラムレイアウトですが

このサイトのページを見ていて思い出すのは、Pinterestに代表されるような可変系グリッドシステムレイアウト。

リンクのバナーはきれいに縦に順序良く並んでいます、が。

写真の二分割レイアウトのおかげで、横可変グリッドのように見えます。

逆に言うと、画像の横幅大きさは一致しているため

縦の長さが可変、しかも写真が横線可変のレイアウトでも、安定している。

たくさんの画像が貼られていてもちゃんと綺麗にレイアウトされているように見えます。

可変グリッドレイアウトは個人的に「規則性を持ってポップに魅せられるレイアウト」と感じています。

実際に、活き活きした印象が詰まっていると思います。

右側はポップに、左側はわかりやすく規則正しさを持ってスマートに、と

レイアウトに動的な印象と静的な印象を両方とも上手く取り入れた、絶妙バランスレイアウトなのです。

そんな相対する二つのレイアウトが上手く同居しているコツは、画像の並び方、そして、テイストが統一されている事。

クリエイティブでガーリーな画像を上から縦に順序良くナビゲーションに使用しているため、

全体的な調和が保たれているのです。

うーん、遊びとルールの絶妙コラボ、素敵です。

 

⑶狙ったターゲット層にアピールするためのクリエイティビティ

コンセプトメイキングの観点からしてもこのサイトは成功してます。。。

そもそも、ジュウ・ドゥ・ポゥムはアーティストをプロデュースする団体。

まずターゲットとしては、クリエイターやアーティストに、「ここにプロデュースを頼みたい!プロデュースしてもらいたい!」と思わせることが大前提。

そのため、パッと見て印象に残らない普通のレイアウトルールに則っただけのサイトは意味がない。

だけど、クリエイティビティにより過ぎて奇抜すぎるものは、逆に信頼されない。

この二つの間をゆく「説得力のあるクリエイティブなデザイン」をこのサイトは実現しています。

だからこそ、上記の⑴の施策が取り入れられたデザインなのです。

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そして、トップページ以下にも、基本的に画像ベースに説明文はトップページより多めに。

ウェブサイトの中のサイトをくまなく見ようとする人は、それだけ情報を欲している人なので、その分情報量を増やすというナビゲーションももちろん忘れません。

そして、このジュウ・ドゥ・ポゥムは、クリエイティブで素敵な書籍、作品ならいくらでもあるので

今までの取り組みをアピール度の強い魅力的な写真をたくさん取り上げて印象付け。

補足する様に文章を載せる。

この団体の強みを十分に生かしたウェブデザインとなっているのです。

 

多分ウェブデザインの分析は今日が初めてじゃないですかね。楽しかったです。

いきなり専門用語羅列しだして胡散臭い印象持たれたんじゃないかとちょっと思いましたがw

実はこのブログ、もともとウェブデザインやデザインのよい表現や手法を分析したいなーという思いもあって始めた節もありますので

(ウェブデザイン勉強中なので、尚の事)

20日を超えた今後、もっとよいウェブサイトのデザイン分析に精を出していこーと考えております。

デザインは論理的で哲学的だから楽しい。ですね。

【No21】ジュウ・ドゥ・ポゥム  「ロンドンのかわいいアトリエ」

 

ロンドンのかわいいアトリエ

ロンドンのかわいいアトリエ

 

 

またまたジュウ・ドゥ・ポゥムの本です。

今回は、クリエイター・アーティストたちのアトリエ紹介。
正直言って、前回紹介したパリの本よりずっとニッチです。
ですが、だからこそ光っているものがあると個人的には感じています。
わかりやすく、この本の魅力を、この本のターゲット層の観点からお話します。
 
(1)手作りが好きな人への強烈なアプローチ
多分この本先日紹介した奴に比べるとターゲット層が大分しぼまってしまう可能性高いんですよ。
というのも、タイトルの通りこの本ってアトリエがテーマなんです。
アトリエと、自分の部屋って、作る人からすれば別物なんです。
自分の部屋は自分が最高にリラックスできるための場所。
自分のアトリエは自分が最高に集中できる場所。
なので、おしゃれとか、かわいいものを楽しむだけでそれらを作り出すということはしない人たちから見ると、この本って「ちょっと求めてるものと違う」という感想を抱く人は抱くんです。
ですが、おしゃれとか、かわいいとかを作り出すことに喜びを見出す人にとっては、その喜びが生まれる場所はとても魅力的。
自分がつくることに集中できる作業環境は、結構貪欲に求めます。
なので、この本はターゲット層は狭いかもしれませんが、
作ることに喜びを見出している人にとってはグッとくるところがたくさん。
ニッチな層に的確に響くのが、この本の特徴ではないでしょうか。
時折挟まっている、作業に真剣に撃ち込む彼女たちの姿は、
むしろ素敵に思えて仕方ないのです。
 
⑴集中できる作業場のヒント、好きなことに励める理由は、ここにある
また、この本のターゲットに含まれるだろう層はもう一つ。
「働く場所を少しでも楽しく」という思い、抱いている人は少なからずいるんじゃないでしょうか。
自分のデスクの周り、作業場…それが少しでも自分の気持ちを高揚させ集中させるものになっているのなら、
生産性だってぐっとあがり、いいことずくし。
そういう環境の大切さを知っている人にとっては、ちょっとしたお手本になるはず。
紹介されているアーテイストたちは、皆自分が集中できるための環境の大切さを知っている。だから環境を整えるのも惜しまない。
彼女たちを通して伝えようとしていること。それは、「働くことにも、楽しさを」
そういった考えを応援するのが、この本のもう一つの役割だと感じています。
 
言うまでもなく私にとっては強烈に素敵な一冊ですw
最近机周りの模様替え、整理をしたのですが、結構気に入っている出来です。
その際に参考になったのは、この本と、先日紹介したパリの本。
どちらかというとこの本の方がお世話になった!何せ自分が絶対集中できる場所を作るという目的がありましたので。
ターゲット層が狭くても、その層に確実に響くものを作れば、愛用書として愛でられることもあるというお話でした。

【No20】Lifebear

https://lifebear.com/welcome/sp

いつもお世話になっているアプリの一つ。Lifebear。
何かと言うと、スケジュール帳アプリです。
これを見つける前までは、私はもっぱら紙の手帳主義だったのですが、
このアプリに出会ってからは、逆に全く手帳を使わなくなりました。。。w
それだけ便利、というのもありますが、
便利だけにとどまらない素敵なアプリだと感じているので 
その根源を分析してみました。
 
選択と集中:手帳に欲しい・必要な機能だけを絞って特化。
ところで手帳って何を書き込みますかね。
予定はもちろん。その日のToDoタスク、その場で思いついたことのメモ。。。などなど、がだいたいじゃないでしょうか。
それに対して紙の手帳は適切な分量でしょうか?
たいていの場合、多すぎません?
 路線図、アドレス帳、切り取れるタイプのメモ。。。いやたしかにあったら便利だけど、別になくてもいいよね、というものがくっついてると思います。
かといって、あまり何も付いてないものにしよう!とすると、今度は少なすぎる。。。
そんな風に世の中に流通する手帳に不満を持っているひとにオススメするのは二つ。
バインダー式の手帳。あるいは、このLifebearです。
もしiPadは常に持ち歩くぜという人には特にオススメなこのLifebear。
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Lifebearは、予定、ToDoリスト、メモのメイン機能3つだけ。
ですがそれぞれのメイン機能の利便性を追求した手帳アプリなのです。
予定を書き込むカレンダーは、月、週、日の3種類搭載。
ToDoリストは締め切りの設定や繰り返し、またどの日のタスクにするかの設定も簡単。
Todayのナビゲーションボタンをタップすれば、その日のタスクと未完了タスクが一目瞭然です。
そして、日にちごとにつけることができるメモ、Freeリストと、
月日に関係なく設定できるメモのNOTE。
機能を絞り、その機能が便利になるようにうまーく選択と集中で開発されたアプリなので
ビジネスマンに関係なく、時間管理や自己管理を手帳を通して行いたいという意識がある人には、一度使ってもらいたいアプリです。

⑵「選べる」ということの魅力
便利と素敵のコラボレーション。このアプリはそれが実現できてるなと感じてます。
ここでいう素敵とはどういうことか。
ずばり「選べる」ということです。
まず、アカウント登録制で動作するので
PC、タブレットスマホとどのデバイスを選んで使っても使える。
また、手帳のデザインが好みで選べる。
着せ替えで如何様にも手帳の雰囲気を変えることができる。
そして、予定作成時のカテゴリーの多さ。
予定のラベルカラー、予定の種類(単なる予定か、タスクか、繰り返しの予定またはタスクなのか)…
自分のルールで手帳書き込みが非常にしやすい、自分の好きなようにカスタマイズしやすい。そういった利点があります。
人はこういった「選べる」「自由度が高い」と感じるものほど「素敵!」と感じる特徴があります。
その人間の性にうまーく寄り添ってい設計されたアプリ、それがLifebearなのです。


なんかものすごくセールストーク的になってしまいましたが(笑)
でもほんとに便利なアプリの一つなので、いろんな人に使ってもらいたいなあという所存。
よく考えられて作られたものは、媒体関係なく人にオススメしたいものです。

 

【No19】峰倉かずや 「Salty–Dog 6」

salty-dog 6 峰倉かずや画集

salty-dog 6 峰倉かずや画集

 

 

私が紹介するまでもないくらい素敵なイラストを描かれる漫画家さんなんですが…

もうね、小学生の時に初めてこのアニメを見かけて以来ずっと、好きです。。。

なのでなので!あらためて峰倉先生の魅力、今回はイラストの観点から、語らせてください。。。!

 

(1)まさに「二次元のリアル」

本人が目指していると公言しているのですが

峰倉先生の絵はとにかく「二次元のリアル」

圧倒的な描きこみ力、キャラの多彩な表情、人物、無機物、植物問わず現実に迫らんばかりの描画。。。ファンが多いのもうなずけます。

これはもう人の好みとしか言いようのないんですけれども、私はリアル寄りのイラストが好きなんです。

なので峰倉先生の絵はほんとどつぼなんです~

だって二次元だったら描こうと思えば何でもかけるじゃないですか。現実ではありえないことでも。

単純に、絵がきれいとか、リアリティがあるとか、そういう思わず惹かれる表現って、人のあこがれる世界を描くとますます魅力的に見えるんですよ~

簡単に言えば夢を与えてくれる。

インスタントな夢世界、と言われてしまえばそれまでですが

リアリティを持って表現されるその世界は、ある種の癒しを与えてくれるのです。

 

(2)一つきわめてつぶしを利かす

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本人はまだまだ精進したいという気持ちは尽きないんでしょうけれども

ある程度自分の目指す目標の領域を極めている人は、ある程度別のテイストの絵にチャレンジしてもつぶしがきくんです。

詳しく言えば、その人の魅力を残したまま様々なテイストを楽しめる。

もちろん別のテイストにチャレンジして違和感を持たせないようにするために作家側も努力・試行錯誤する部分はありますでしょうが

1つの軸は定まっているので、そこから何を描いても魅力的に見える。

一つ強みをもつと、あとはその強みにあったテイストのなじませ方を模索すればよいので

結構いろいろなタイプのイラストでも、頼めてしまうものなのです。

 

(3)「リアル」を追求する、からこその、「おしゃれ」

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あと、リアル寄りな絵が好きなところはですね、

おしゃれな服装やレイアウトがよく似合うんですよ。

現実世界でおしゃれととらえられているファッションやレイアウトなどを人物イラストと融合させても、なじみやすいんです。

だから、「この写真カッコイイ!」「この街の景色クールだなー」と思うものを合わせても、浮かない。むしろ絵にされることで「ああこういうのもかっこいいな」という気づきを促すこともあるんです。絵のリアリティのおかげで説得力があるから。

なので物事を人とは別方向で見ている人や

(ただし浮世離れしている、地に足がついていない人は別。現実との設置点があることが大前提)

センスがずば抜けている人などは、

こういうリアリティや説得力のある表現を選ぶと、その目線が威力を発揮することがあるのです。

 

峰倉先生については、漫画についてもまた今週のどこかでお話したいと思います。

本当に、表現に関して多彩な方だと思っているんです。。。

なので次は、漫画や物語からの峰倉先生の魅力を分析したいと思います。

【No18】伊藤計劃 「ハーモニー」

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

 

ところで私はPSYCHO-PASSというアニメが人生捻じ曲げられそうになるというおっかない程度に好きなんですが

そのPSYCHO–PASSを生み出したフジテレビの深夜アニメ放送枠であるノイタミナ
今年は劇場アニメに力を入れるということで、その企画のメインに据えられたのが
夭折のSF作家、伊藤計劃
彼は代表作二作を残し30代の若さでこの世を去ったのですが
 今冬、彼の描いた物語を劇場アニメ化しようというプロジェクトが立ち上がりました。
「ハーモニー」は彼の二作目となる作品であり彼の遺作となった作品です。
彼の処女作である「虐殺器官」も読んだのですが、個人的にこちらの方が好きです。
その魅力について分析したいと思います。
 
⑴文体としてのプログラミングコードの威力
一ページをめくった瞬間から驚きが走ると思います。
まるでプログラミングコードのような文体。機械のような旋律。
しかし、これはこの物語にとって重要なファクターとなっているのです。
主人公である霧慧トァンの感情が強く揺らぐ部位に走るプログラミングコード。
何の意味を示しているのかは、ここでは言いませんが
この文体は二つの成功を果たしています。
 一つは、SF小説としての世界観により一層説得力を持たせたこと。
もちろん、物語の描写でも近未来を思わせる風景が広がっていますが
文体のアプローチも世界観の表現に一役買っています。
もう一つは、ラストで見事な伏線回収を演出したこと。
ひとえにプロットの流れ上なるべくしてそういう文体になったから、というのが大きいのですが、
それだけではなく、どういう演出で見せたら読者の印象に強烈に刻み込まれるか、という考察の果てにたどり着いた表現とも言えます。
どちらかというと活字のみに馴染みがある生活をしている人がほとんどの中で
急に現れるプログラミングコードは、返って真新しいものに見えるのです。
たとえばハーモニーのように、表現したいテーマや物語の重要な部分が
何かしらプログラミングコードとつながりがある、ないしは、プログラミングコードを用いることに表現に説得力が増すのであれば、利用する手もありなのです。
たとえばロボット展覧会の広告にハーモニーのような文体を用いたりするのもおもしろいでしょうし
たとえばプログラミング研究会のホームページのナビゲーションレイアウトに取り入れたり。。。と
未知なる世界の表現、という意味では利用するのも一つの手です。
 
⑵SF世界で自然発生する黄金ルールと、そこから見える伊藤計劃の得意技
著者本人は「自分が描くとキャラクターたちに感情的部分が薄くなってしまう」と語っていますが
本人が言うほど登場人物たちが感情が乏しいように感じません。
そのわけは、物語がSFであるからという根源的なところにあります。
SF小説の世界は、読み手側が表現されているSFの世界が「本物の近未来らしい」と感じれば感じるほど
登場人物のちょっとした人間の感情らしい部分を見出すと、それだけで人間らしいと感じてしまうのです。
ここでいう「本物の近未来らしい」というのは、
何も描写されている街の風景や人々が扱う日用品、生活品がいかにも近未来の発明品ぽい、というだけに根付くというわけではありません。
実はそれと同じくらい大事なのは、その世界で暮らす人々の思想。
勘違いしてしまう人がいるかもしれませんが、一つの世界の生活様式の種となっているのはまずそこの世界に住まう人々の思考なのです。
その時代に生きる人の思考がまず根源にあって、近未来的な生活品がうまれるのです。
そのため、その近未来の創造物の根拠となるそこに生きる人間の思考が
しっかりと私たちの普段の生活の中で常識と思っていることからどれだけ先をいっているか、あるいはぶっとんでいるか、によって
SFの世界は成立します。
そのため、逆に言えばSF世界に生きる人々は私たちの常識とは違う常識で動いているのが基本。
ときには私たちが非道だと思うことでさえ彼らにとっては常識である場合があります。
そのため、そんな常識をひっくり返される中で、
読者と近い感情ーたとえば大切な人が死んで悲しみに浸るーの表現が垣間見えると
それだけで感情豊かに見えてしまうのです。
このハーモニーの作品は、描かれる作品の世界で生きる人間の思考がとてもしっかりと非常識的なものになっている。
そこから何故ハーモニーの世界の街や生活様式が生まれているのか論理的に全て成立している。
つまり、彼はたしかに本人が言うようにキャラクターの感情の部分を描くのが苦手かもしれませんが
彼の得意とする論理的に世界観を構築する能力のおかげで、その弱みの部分が目立ってないのです。
 
話は少しそれますが、この話は裏を返せば、
もし人間のありふれた感情や根源的な感情ー喜怒哀楽の大切さなどーを強く印象付けたい、テーマに据えたいと考えるのであれば
それと背反する世界観をまず基盤に据えれば良いのです。
普段の生活では「当たり前」として見過ごされる物事をアピールするには
その物事が殊更に特殊と思われるようなフィールドにぶちこめばいい。
実は物語の表現とは、その物語が描かれる世界の基盤構築が一番大事なのです。
物事って、意外となんでも基礎が大事なようです。
 
 


「ハーモニー」キャスト発表・主題歌発表PV - YouTube

 
先月公開されたハーモニーの劇場版PVの映像がこれ。
初めて見たときは何故か涙が流れてしまいました。
映画がどんな仕上がりになっているかは公開日を待つまでわかりませんが、
一つ言えるのは、ハーモニーの世界観とこの主題歌の調和は完璧だと感じてます。
公開は12月ですが、どのような映像でハーモニーの世界を見せてくれるのか。。。今からとても楽しみです。
 
 
 
 
 

【No17】星野道夫 「Michio's Northern Dreams」

 

オーロラの彼方へ―Michio’s Northern Dreams〈1〉 (Michio’s Northern Dreams 1)

オーロラの彼方へ―Michio’s Northern Dreams〈1〉 (Michio’s Northern Dreams 1)

 

 

中学生のときに国語の教科書、英語の教科書それぞれで出会うという
うちの学校の謎の教科書選定基準によって彼の写真を知ったのが始まりでした。
それから5、6年たったのちに、PHP文庫から出版されている写真集シリーズを見かけて
6巻全部買ったのは、まだ記憶に新しいです。
 
アラスカの自然を写真に収め続けた星野道夫さん。
海外の有名な写真雑誌National Geographic等に取り上げられたり、
日本国内のみならず海外でも彼の写真集が出版されるな
写真界では有名な方です。
あまり私は、風景写真や自然、動物の写真などはあまり見ないのですが。。。
この写真集だけは今でもすきでちょくちょく見返しています。
今回はこの本の表現の魅力について分析します。
 
⑴私たちの知らない、動物や自然の「生きた」姿
彼のアラスカの動物や風景写真は、とても「生きた自然」なのです。
都会で暮らし、動物といえば動物園でしか見たことない、
自然といえば公園の木々くらいしか思い浮かばない。。。という人たちにとっては
「動物ってこんな表情するの?」と思わせるような動物たちの姿がたくさん。
ひとえに、星野さんのアラスカへの愛情故にこう言った写真が撮れるのではないかなあと感じてます。
最初は何度も取材を行って、そのうちアラスカに住み着いてしまうくらいに
アラスカの魅力にとりつかれた星野さん。
その愛情と、彼の感性から切り取られる情景は
私たちが気づけない、知ることのできない自然や動物の素顔を、見せてくれます。
 
写真だけではない。叙情詩的な彼のアラスカの記録
そして彼の写真集の魅力は、それだけではありません。
というか、私が惚れ込んだ理由の大元であるのは、写真ではないといっても過言ではなかったりw
彼の感性が惜しみなく発揮された、アラスカの風景を記録した文章。
ただアラスカの風景を物語るだけではなく、
 アラスカの自然の雄大さが、私たちの生きている日常の中でどう繋がっているか。
私たちの人生の中で、自然とどういうつながりがあるのか。
私たちが人間であることと、アラスカの自然は、どういう共通項があるのか…
彼の哲学的、または叙情的とも言える文章は、胸にずーんと響き渡ります。
星野さんの自然の中に人間を見出す目、また人間の中に自然を見出す目は
彼の文章の中によく現れているのです。
 
写真と文章の相乗効果で見えてくる世界
そしてこの二つが同居していることで、読者に未知の体験を与えているとも言えます。
ただ写真を見ただけでは、きれい、壮大だ、という一言の感想だけで終わってしまいそうなところを
彼の綴る叙情的文章によって、その写真の見る角度が変わる。
ただ文章を見ただけでは、描写力に優れた人だなあ、という一言の感想だけで終わってしまいそうなところ
彼の撮る写真によって、彼の言葉の説得力が増し、言わんとしていることの意味が伝わってくる。
この写真集の表現力の強さは、
論理的な感動(=文章)と感情的な感動(=写真)の両方を同時に味わえることで裏付けられているのです。
おまけに、文章があることによって、
写真に疎い人でも、その写真のどこに着目すればいいかがわかり、写真にとっつきやすくなります。
 
写真とは別の話になってしまいますが、
以前博多に行った際に大宮エリーさんの星をテーマにした展覧会が開催されていたことがあるのですが、
あれも、文章の力によってより強い表現力を得ていた一例です。

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展示物の合間に伝う星の物語を綴った文章によって、彼女の表現しようとした世界観に説得力が増していたのです。
 
もちろん、大前提にはそれぞれの技術の高さが必要となってきますが、
異なる二つの表現手法を用いることによって、作品の魅力を増すことができる。
星野さんには写真だけではなくアラスカを綴る文章力の高さがあったため
あえてその二つの力を同居させることで、
写真集にとどまらない力強さを発揮できたのだと思います。
 
 
もとが自然写真をたくさん見てこなかった人間なので
彼の写真が他と比べてなにが特出しているか、という点で分析できてないのが一つ課題なのですが。。。
ただ、「どうしてこういう本になったのだろう。。。」という構成の謎は、解き明かせたかなと。
読むだけで普段の生活とは違う世界を体験することができる本は
自分にとってはとてもありがたいものだと思うので、
この6冊の本も長く大切にしておきたい6冊であります。
 
 
 
 
 
 

【No16】ジュウ・ドゥポゥム「パリ おしゃれガールズスタイル」

 

パリ おしゃれガールズ スタイル

パリ おしゃれガールズ スタイル

 
 

このシリーズの本何冊か買い込んだことあったんですけど

 今でも手元に残っているのはこの一冊と、もう一つ後日紹介するやつくらいですね。

ジュウ・ドゥ・ポゥムは海外のアーテイストたちのサポートや書籍、カタログ等の作成の企画を行う、海外アーティストと日本の企業をつなぐ会社。

そこから発行されているアーティスト紹介本のシリーズの一冊です。

今回はその魅力について語っていこうと思います。

 

(1)おしゃれになりたい!と言う思いから生まれる好奇心をつついた本

 おしゃれに興味がある人なら、誰でも持つ願い。おしゃれになりたい!

そんな思いをうまくついた本だなーと思ってます。

ここで紹介されるのは、デザイナー、スタイリスト、クリエイティブディレクターなど、ハイセンスでおしゃれな人たち。

そんな人たちがどうしておしゃれなのか?

どんな生活をしているのか、

どんな部屋に住んでいるのか?など…

魅力的な人ほど自然とあれやこれやと好奇心がわいてきますよね。

この本はその好奇心のうちの「どんな部屋に住んでいるんだろう」「どうしておしゃれなのだろう」をくすぐる要素がたくさん詰まっています。

確かに、住んでいる人の部屋にセンスが現れるって言われることもありますしね。

 

(2)自分の頭だけでは思いつかない世界のふれあい

 また、アーティストたちの住むお部屋と言うのは

やっぱり彼女たちなりの世界観が詰まっています。

彼女たちが普段頭の中で描いている世界、

こういうものが自分は表現したい、というものが詰まっています。

彼女たちのそういった思いや世界観は、私たちが普段思いもつかないような素敵な世界。

そのため、この本を通して自分の知らない世界を知るという面白味があるということもあって

色々と本の整理を行っていても。この本はなかなか手放せずにいます。

 

最近、部屋のインテリア整えないとなあと思っていた時に改めてこれを見直したんですが

やっぱりこれが参考になるなあとしみじみ思っていました。

あともう一冊、インテリアの参考になる同じシリーズの本を持っているのですが

それはまた次の機会にでも紹介できたら、と思います。